スイカごっこ

今のところ創作の話を少々のびのびゴロゴロと

停電明けの邂逅

「雷すごいんだけど」
「うむ」
「目的地周辺です」

 

案田真弥(あんだしんや) と、酒巻(さかまき) 美逸(ミゾレ) が乗った車のナビがそう告げ、音声案内を終了した。

 

まだ日が沈む時間ではないというのに、辺りが暗い。
雷を産む雲が、黒く垂れ込めているせいだった。
雷鳴がとどろいている。

 

「案田、あんた大丈夫? 汗かいてるけど」
「うむ」

 

運転席の男・案田は、レトロなロボットのように、ただひたすら同じ返事を繰り返した。ロボットは絶対にかかない汗を額にかきながら。

 

「運転代わろっか? つっても、もう目的地に着いてるようなもんだけど……」
うむ。ミゾレさんはチェックインの手続きをしてください。俺は車を宿の駐車場に泊める。そしてコートを着る。それからトイレに行く。よろしく」

 

案田が、一方的に役割を指定した。
コートを着る、という手順をなぜ言語化したのか、酒巻には不明だったが、確かに案田は運転するにあたってコートを脱いでいた。
案田のコートは昨今の流行に逆らっているのか、はたまた作り手が何も考えていないのか、薄くも軽くもなく、ひたすらモコモコどっしりしたものだったため、運転するのに都合が悪かったからだ。

 

「あい。わかった。間に合うといいね、トイレ」
「うむ」

 

何度か空が光ったあと、雷鳴が響く。
ひときわ大きく雷がとどろいたあと、手荷物を持った酒巻が車を降りた。

 

宿泊施設「ログキャビン・イルズク」の正面入り口前のロータリーである。
昨日までに降った雪は、雨で溶かされつつあった。
空からは、まだゴロゴロという音が鳴っている。
傘を持っていない酒巻は雨に打たれながら、小走りにイルズク第2棟の正面入り口に向かった。大した距離もなかったせいか、それほどずぶ濡れにはならなかった。
入り口にたどり着き、雪が残るひさしの下で、ハンカチで髪を拭きながら案田が運転する車を見守る。

 

案田が、建物の裏手に向けて車を発進させた。
ロータリーに入る前の看板に駐車場の方向が書かれていたので、それに従ったのだろう。酒巻は車を見送ったあと、ひとり建物を見上げながらつぶやいた。

 

「つうかここ、停電してね?」

 

試しに入り口にある扉の取っ手を回して引いてみる。
開いた。
自動でも何でもない扉だから当たり前なのだろうか。

 

停電はしていたものの、なんとかチェックインはできた。
フロントで、非常用なのであろう薄暗い照明の下、宿泊者名簿に記入する。フロントの人間はそれを受け取るとタブレット端末を操作し、酒巻に部屋番号を告げキーを渡した。

 

イルズクは、2階建ての、こじんまりとした建物が5つ集まった宿泊施設である。
外から見たときに、「ホテルというよりもログハウスっぽい見た目だな」と酒巻は思った。ログハウスは、ひと棟30部屋はあるだろうか。

 

酒巻が予約していたのは、そのうちのひとつ、第2棟の部屋だった。
特にどこに部屋を取ってほしいという希望を出していなかったため、どこの棟でも特に感慨はない。

 

団体客が何組かいるように感じた。
ジャージ姿の集団がいる。高校生だろうか。

酒巻は、フロントのあるロビーの隅で、案田にLINEを送った。
既読マークはつかない。

 

ロビーから離れ、廊下を少し歩き、ラウンジにたどり着く。
そこにある椅子に座り、携帯の画面を見る。
やはりまだ既読がつかない。

 

電波が悪いのか?
ラウンジを囲む壁がいけないのか?
そう思った酒巻が、座りながら携帯をあちらこちらに向けていると、ロビーにいた団体客がぞろぞろ歩いてこちらに歩いてくるのが見えた。
客室に向かうのだろう。

 

酒巻は携帯をラウンジのテーブルの上に置いた。集団を撮っていると思われても困る。
ジャージ姿の集団はぞろぞろと緩やかな列をなし、酒巻のそばを通り過ぎていく。
奇妙に動きがスローな高校生集団だった。学校行事だろうか。
雷の中どこかに出かけていたのだろうか。


酒巻がそんなことをぼんやり考えながら案田を待っているうちに、雷の音は遠くなっていた。外には、今まで雷にかき消されていた雨の音が戻ってきている。

 

雷の音がほとんど聞こえなくなったころ、案田がラウンジにやってきた。

 

「お待たせしました」
「お。やっとか。部屋で落ち合ってもよかったんだけど」
「ただ『チェックインした』とだけ言われて俺は部屋番号もわからないのに、どうやって落ち合うんですか」
「LINE見たんか。トイレで? そういやコート着てるね。つうか……、そのコート着たまま個室に入れたん?」

 

酒巻が、案田のコートのモコモコ具合を揶揄すると、案田はまだ青白い顔を改めて酒巻の方に向け、無表情で言った。

 

「トイレ行く前に着てる余裕なくて個室で着たら、ゴンゴン壁にぶつかりまくりました。めっちゃうるさかったと思う、隣の人。悪いことしちゃった」
「隣の人?」
「隣の個室を使ってた人、です。停電で水が流れなかったんで水の流し方を教えてもらいました。いい人だった……。顔も見てないけど」
「お礼言った?」
「言いそびれたんで、メッセージを残してきました」
「トイレに?」
「トイレに」

 

うなずきながら言う案田に、酒巻は何か言いたくなった。
何を言おうか迷ったが、やがて「男性用トイレのことは自分には関係ない」と心の中で切り捨て、うなずいた。

 

「そう。ほんじゃ、部屋行こうか」
「うむ」

 

案田は、青ざめた顔でうなずいた。

 

***

 

「で、仕事と関係ないんだけどさあ」

 

先に部屋に入った酒巻が、キーをカードスイッチに入れながら切り出した。
照明がついたが、薄暗い。停電はまだ続いていて、ついたのは非常灯のみだった。


あとから部屋に入ってきた案田の動作は、全体的に奇妙に素早かった。
その案田が、素早く部屋の扉を閉めてから、早口に言った。

 

「少々お待ちください、ミゾレさん」
「どうした」
「俺はこれからトイレにこもります」
「お、おう。宣言された」

 

酒巻が突然のトイレこもり宣言に面食らっていると、案田はテキパキとコートを脱ぎ、自分の手荷物とひとまとめにして、ベッドの脇に置いた。
テキパキ過ぎて早回しの映像を見ているかのようだった。
それから案田は、やはり早回しのような素早さで、部屋のシャワールームに入って行った。シャワールームの片隅にあるトイレに大事な用があるのだろう。

 

「しばらくシャワーは無理ってことか……、いや大浴場あるんかな、ここ」

 

酒巻は、静かになった部屋でひとりつぶやく。
持っていた荷物を、もうひとつのベッドの脇に置く。

 

酒巻たちがイルズクに泊まることにしたのは、仕事のためだった。
酒巻たちが所属しているのは、小さな事務所だった。
小さすぎて、いや、規模は関係なく、予算が足りないために出張費がまともに出せない。経費節減のためにツインルームを1部屋しか取らなかった。

 

男女同室など、昨今の常識で考えたらあり得ぬことなのだろうか。
酒巻も案田も独身の上に、妙なウワサが立ったところで悲しむ者もなく、特に問題なかろうとの判断だったが、問題はあるのだろうか。

 

本日の案田がトイレにこもりたくなる体調であることを抜きに考えても、酒巻は案田と同室でも特にかまわなかった。
むしろ「どんとこい」と言いたかったが、ふだんの案田の様子から考えれば「お断り」のようだった。
残念だ。
酒巻はため息をついた。

 

こんな残念な思いをしないためにも、ひとり1部屋取れるほどの予算が欲しい。
そう願わずにいられない酒巻だった。

 

さて。
本日は移動日だったため、空いた時間は案田と、仕事の話と、仕事ではない話などダラダラとしたくなった酒巻だったが、今の案田にその体調的猶予はあるのだろうか。


酒巻は、自分の鞄を探った。
下痢止めの錠剤のシートを取り出し、部屋に備え付けのテーブルの上に置く。
人の体調のことはよくわからないが、案田は下し気味なのではないか、そう判断したのだった。
案田がトイレでのこもり行を終えたら渡してみようか。
本当に下痢止めなので、妙な錠剤と勘違いされ、怪しまれないといいが。

 

テーブルの上にはやはり備え付けの、メモホルダーが置かれていた。ホルダーにはペンと、宿のロゴが入ったメモパッドが収納されている。
案田宛てに錠剤を勧める文章を書こうとして、いや、直接言ったほうがまだ怪しさが軽減されるだろうと思い直した。

 

酒巻は、ふだんの己の行いを少しだけ悔いながら、部屋に備え付けられた電気ケトルを手に取った。部屋の洗面台の蛇口には、「飲料水」と印字された小さなステッカーが貼ってある。
蛇口を開けて水を出す。ケトルを洗ってから水を入れ、台座に戻す。


スイッチを入れるが、反応がない。
部屋の照明も薄暗いままだ。停電はまだ続いている。
酒巻は、ケトルを置いた机の前にある椅子に腰掛け、電力が復旧するのを待った。

 

……
…………
………………

 

ハッと目を覚ました。
眠っていたらしい。

 

辺りを見回すと、すでに案田はベッドに入っていた。
遠目ではあったが、すやすやと安眠しているように見えた。
酒巻は迷ったあと、起こすのをやめた。
部屋の中は薄暗い。

 

椅子に座ったまま、窓の外を見る。
カーテンは開いたままになっていて、ガラス越しに外が見えた。
外はすでに暗い。
屋外灯の灯りが見える。停電が終わり、すでに電力が復旧しているということか。
部屋が薄暗いのは、案田がそうしたということらしい。
雨はすでにやんでいるようだ。

 

何時間眠っていたのだろう。
ケトルの横に小さなデジタル時計が置かれている。夜の7時過ぎ。
3、4時間は眠っていたようだった。

 

(寒いと案田の体調が治らんかもしれんし、できれば明日は晴れてほしいんだがなぁ)

 

そんなことを思いながら、酒巻はカーテンを閉めるために、もっそりと立ち上がった。
座りながら寝たせいで、体が痛い。
ゆっくり窓にたどり着き、カーテンに手をかけたところで、酒巻は動きを止めた。

 

「あん?」

 

見間違いだろうか。
今、何か。
外に、何か妖怪のようなものが見えた。

 

案田が寝ているベッドを振り返って見るが、相変わらず案田は、気が抜けるほど素直な寝息を立てている。

 

もう一度、窓の外を見る。
すると、先ほど見た妖怪のような何かが、窓のすぐ外にいた。どアップである。

 

「!!」

 

酒巻が思わず息をのむと、その生き物は窓を軽く叩いた。開けてほしいらしい。
よくよく見ると、その生き物は妖怪ではなく人間のようだった。
ジャージを着ている。女子生徒に見える。

恐れよりも、凍死を心配する気持ちが勝り、酒巻は窓を開けた。

 

「あんた何やってんの? 死ぬよマジで! そんな格好じゃ」
「こうそくで、あの、さむい」

 

ジャージの女生徒が、ガチガチと歯の根が合わぬまま発した言葉のうち、酒巻が聞き取れたのはそれだけだった。

 

***

 

「かくれんぼしてたらつい本気になって外に抜け出したはいいけど、ジャージいっちょじゃ寒かったと……いうこと?」
「そう」

 

酒巻は電気ケトルで沸かした湯を、粉末のお茶が入ったカップに注いだ。そのカップをジャージの女生徒に手渡す。
ジャージ女生徒は裸足で外に出てしまったらしく、酒巻に手渡された、部屋に備え付けのタオルで足を丹念に拭いていた。その作業を中断してカップを受け取ると、両手で包み、ふうふうと湯気に息を吹きかける。
椅子をジャージ女生徒に譲ったため、酒巻はベッドに腰掛けて言った。

 

「なんでまた本気でかくれんぼなんてしてんの、こんなとこで」
「校則やぶってたから。見つかると説教くらうし」
「ほぅ」
「チクりますか」
「言わないけどさ、つうかあたしがさらったと思われても困るから、できれば自分ひとりで部屋に戻ってほしい」
「今戻ったら叱られるんだけど」
「もういいじゃん、叱られたって。叱られるだけで済むなら全然いいじゃん」
「お姉さん、除光液持ってない?」
「持ってないよ。あたしは旅行にそんなもん持ってこない派。あきらめろ」
「うう」
「あきらメロン」
「なんでわざわざダジャレで言い直したの」
「なんとなく」
「うーん……、むす、とうございます

 

案田が何かをつぶやいた。
酒巻は案田のほうを振り返り、立ち上がると、ベッドのそばに近寄った。


眠っているようだ。
寝言だろうか。
寝息は相変わらず規則的だ。
そこまで体調が悪そうにも見えない。


話し声が大きかったのかもしれない。
酒巻は、案田の布団をそっとかけ直すと、静かに元いた自分のベッドの端に戻り、ジャージ女生徒のほうを向き直ってささやくように言った。

 

「さあ、あったまったら戻った戻った。この部屋のドアから廊下に出て、中から部屋に戻れば凍えなくても済むでしょ」
「そうだけど……。あ、これ、ありがとう」
「ん」

 

ジャージ女生徒は、タオルを酒巻に手渡した。

 

「そういえば、さっき洗濯室の前を通ったんだけど。外に出たときに」

 

女生徒は立ち上がってから、つぶやくように言った。
酒巻は、女生徒が何を言うのか予想がつかず、ただうなずいて先を促した。

 

「『コンタクトォー!』って叫んでる人がいた。外まで聞こえる大声で。あれって、コンタクトなくした嘆きなのかな?」
「なんだそいつ。まあ、そうかもね」
「実は昨日さぁ、同じ洗濯室で似たような場面見たんだけど……。昨日は『コンタクトぉー!』の人と、もうひとり先生がいて、なんか先生が落としたものを捜してるっぽかったんだけどさ。で、今日は先生メガネなのかと思ったらそうでもなくて、やっぱコンタクトしてるみたいだった」
「使い捨てレンズだったんじゃね? 手入れも楽だろうし、旅行なら使い捨てレンズは便利よね」
「あ、そっか。いや、ええ? そうかなあ。じゃあ、なんで今日はあの人、『コンタクトぉー!』って叫んでたんだろ。てか、あのふたりつきあってるのかな? 昨日はなんで洗濯室に一緒にいたんだろ」
「つきあって……るかな? そうとも限らんだろ……」
「『コンタクトォー!』って叫んでたの、合宿についてきてるカメラマンなんだけど。先生とつきあってるのかな?」
「……お説教回避するために教師の弱み握ろうって思ってる?」
「そんなことないない。純粋な好奇心です」
「つきあってないない。恋愛だけじゃないだろ、一緒にいる理由なんて」
「えー、そうなの? 残念」
「何が残念なんだか」

 

ベッドに腰かけて話していた酒巻の視界の隅に、何か動くものが見えた。
窓の外だ。
窓のそばに近づいて見ると、若い男性が庭をうろついている。

何かを捜しているように見えた。

 

「誰だあれ。なんか捜してんのかな」
「あ、あの人、宿のスタッフの人だよ。イケメンのお兄さんで、みんなウワサしてた」

 

いつのまにか酒巻の隣に来て、酒巻と同じく窓の外を見ていたジャージ女生徒が、ひそひそ声で言った。
酒巻は、ふと疑問を感じ、横にいるジャージ女生徒のほうを向いて問いかけた。

 

「……あの人が捜してんの、あんたじゃなくて?」
「えっ。なんで?」
「先生が頼んだとか」
「マジ? やっべ。私、今、イケメンに捜されてる」
「喜んでる場合じゃないだろ。ほれ、行った行った」
「えっ。……外に?」
「いや、どっちでもいいけど。イケメンと話すチャンスではある。けど」
「別に私、そこまでイケメン好きじゃない」
「どっちでもいいけど。でも」
「教師に見つかったら最初から叱られるよね……」
「え、ちょっと。イケメン好きじゃないと言いつつイケメン好きなのかよ。いや、ちげえ。おとなしく中から戻れ。教師に叱られても寒いよりマシだろ」
「よし、お姉さん、ありがと! じゃっ!」

 

ジャージ女生徒は、酒巻の言うことなどまったく意に介さず、窓を開けると、そこから外に出た。

 

(あ。……)

 

酒巻は、宿のスタッフが本当に何かを捜しているのかどうか、捜しているとしてもそれがジャージ女生徒なのかどうかわからない、とも今さら言えなくなった。
ジャージの女生徒は、ぴょんぴょんと溶けかけた雪の上を跳ねて移動する。
スタッフは、まだ女生徒に気づいていない。

 

(裸足なんだよな、あの子……。やっぱ裸足のまま外に出すんじゃなかった。すまん)

 

酒巻は、ここから大声でスタッフに呼びかけることも考えたが、部屋の中の案田を起こしてしまうことを恐れ、ただ見守った。

 

スタッフが、ジャージの女生徒に気づいた。
やはり女生徒を捜していたらしかった。
ジャージ女生徒とスタッフのあいだにはまだ距離があったが、ふたりが、やや大きな声で会話する声が酒巻にも聞こえてきた。

 

酒巻は窓を閉めた。
閉めたガラス窓から外をそのまま見ていると、ジャージの女生徒が、飛び跳ねながらスタッフに近寄って行った。

 

建物から、ほかの大人が数人出てきて、ジャージ女生徒にタオルやスリッパを手渡すのが見えた。教師だろうか。あるいは、宿のほかのスタッフか。

女生徒は跳ねるのをやめ、スリッパで歩き、宿の正面入り口に入っていった。

 

酒巻はため息をつくと、カーテンを閉めた。

室内には、案田の寝息が聞こえていた。
シャワーを浴びて、自分も寝よう。
酒巻はそう思い、自分の手荷物をあさり、支度をする。

 

シャワールームに行く前に女生徒が腰掛けていた椅子を元の位置に戻す。
その際、テーブルの上にメモがあるのに気づいた。
自分の筆跡ではない。
女性の文字だと酒巻は感じた。
ジャージ女生徒だろうか。いつの間に書いたのだろう。

 

「お兄さん、薬飲んで元気出してね。お姉さんが超心配してるから」

 

なんと。
なんと世渡りのうまい。
いや、そうではない。

 

案田とは話すらもしていなかったはずなのに、下痢に気づいたのか。ここに置かれた薬は、案田のために用意したものだと理解したのか。
その洞察力があるのに、なぜ本気でかくれんぼをしてガチガチ震える羽目に陥るのか。

 

酒巻は、感心するような、あきれるような妙な気持ちになりながら、そのメモと、テーブルの上に出してあった錠剤を並べて置いた。
案田が目を覚ましたら読むかもしれない。

 

ひとまず酒巻は、シャワーを浴びることにした。
酒巻はシャワールームに入り、その扉を静かに閉めた。

 

(おわり 19/30)